2011年01月11日

あべのキューズタウン、オープン前の考察

あべのキューズタウンのオープンまで約3ヶ月に迫ってきた。同時に大阪駅サウスゲートビル・大丸梅田店も4月オープンとなっており、桜の開花とともに天王寺と梅田で火花を散らすことになる。この序章は、大阪ステーションシティ全面開業へとつながる。

いよいよ陽春5月には、待望久しい大阪駅全面開業の幕が切って落とされる。
このワクワク感の高まりは全国に伝えてほしい。テレビが、新聞が、各種のメディアがどう伝えるのかも注目される。
書いているだけで、テンションが上がる大事業であり、大阪大変貌の到来といえる。

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阿倍野再開発A1-2棟(アートアルテール コンドミニアム)撮影はすべて1月8日

さて、今回は阿倍野再開発・あべのキューズタウンのオープンをすこし考えてみたい。まず、あべのキューズタウンが成功するのか、どうか?
SCが成功かどうかが、天王寺・阿倍野盛衰のひとつの焦点になる気がしている。これまで阿倍野のイメージはどちらかというとネガティブ。天王寺のマスコミの扱いのせいか地元民が自虐体質といえる。
日本一の近鉄ビルでさえ、発表時の反応はよろしくなかった。地元住民ブログからの大ブーイング。「阿倍野に似合わない」だの「いらない」だの・・・

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あべのキューズタウン東面を歩道橋から

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阿倍野筋東側歩道から

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同じ東側歩道からA2棟東面

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キューズタウンの文字の入った円形屋根(パーゴラ?)のアップ

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HOOPから縦のフレーミングで。現況写真は以上にします。
今回も下に長い文章になりましたが、気が向いたら読んでくださいませ!

あべのキューズタウンのような大規模SCは、大阪では郊外立地と相場が決まっていた。じっさい郊外にしかなかったので、はじめての大阪ターミナル地区(JR環状線内、又は環状線駅の立地)への進出となる。古くからのダイエー京橋SCは規模や施設の劣化や駐車場など時代に対応しきれていないので除外。

現在、大阪各地に展開しているSCで、もっとも勢いがあるのはイオンモール型のSCではないかと思う。私は大阪府下のSCをすべて把握しているわけではないが、ザックリ見ても、「イオン箕面SC」「イオンモール大日」「アリオ八尾」「イオン喜連瓜破SC」「イオンモール北花田」など郊外立地は鮮明といえる。
あべのキューズタウンは、イトーヨーカドー・東急ハンズなどからなるSC。
これは大阪ターミナル地区への進出になり、注目されるところ。規模などの概要は以下の通り。

【阿倍野再開発A2棟・施設概要】
敷地面積:37,803 m2
商業施設面積:約69,000 m2
延床面積:約183,700 m2
中核店舗:イトーヨーカ堂
店舗数:320店舗(予定)
駐車台数:1500台

これを見るとかなり大規模なSCである。参考に大阪(周辺)の他の大規模SCの売場店舗面積をあげると、つぎの通りとなっている。
イオンモール北花田プラウで店舗面積:55,000u イオン大日SCが76,544u COCOE尼崎で57,800u 阪急西宮ガーデンズで 71,030uの規模で、69,000uは最大級の規模といえる。

気がかりな点があるとすれば、いわば郊外型のSCを阿倍野に持ち込んだときにどうなるのか、これが実績もなくよく分かっていない。梅田ほどでもないが、天王寺もやはり電車利用が多いとされているが、時代とともにクルマ利用の来店がじわじわと高くなりつつあると想像される。
クルマの利用はファミリーや熟年夫婦が多い傾向が見られるのと、必要食材などの購買につながるケースが多い。シングル層より購買意欲は旺盛といえる。

大阪の事情を見渡してみると、郊外に魅力的なSCが展開する一方、大阪市内の高密度な地域には、無数に小規模の食品スーパーが競って店舗を出している。
例をあげると、食品主体だが衣料品やリビング雑貨、文具なども扱う「ライフ」。食品・日用品の「デイリーカナート・イズミヤ」「関西スーパー」「ナショナルスーパー」「mandai・マンダイ」などがある。

あと多いのはホームセンターの「コーナン」がこの業種でダントツの出店数。
最近増えたのが「ニトリ」「ヤマダ電機」。「ミドリ電化」も以前から多い。「コジマ」は一時の勢いはないような感じ。

周辺郊外のSCを見ると、クルマ利用が必須であり、駐車場の料金設定が敏感に集客に反映することが容易に想像できる。多くのSC駐車場料金規定では最初の1時間程度の無料設定があるのが普通になっており、これが阿倍野で設定されるのか、どうなのか?
成功か否かについて、駐車場料金規定は分かりやすい、ひとつの焦点ではないだろうか。
しかし、駐車場の料金の高い大阪市内で、しかもターミナル地区となると、短時間無料も設定されるかどうか疑問といえる。
例をあげるとイオンモール北花田プラウの駐車場の場合、最初の1時間無料 以降30分ごとに200円。2,000円以上のお買上でさらに1時間無料となっており、この程度の料金だと申し分ない。

このように1時間程度でも無料設定があれば、非常に利用客が多くなる可能性がある。いずれにしても早期に駐車場利用を定着させることが重要といえる。郊外のSCが電車の来店をまったく考慮しなくて成功だとしたら、阿倍野の場合はさらに有利に働くだろう。
人口密度からして、クルマ利用でも阿倍野が有利なので、電車利用はおまけのプラスと考えれば十分に勝算ありとなる。

ただし駐車料金(買物なし)有料となれば、成否分かれ目になるかもしれない。クルマの行動半径は相当広いので、射程距離の長さで競合店が増えることになる。クルマ利用者にとってターミナルというメリットは何もないので、駐車場料金によっては、競合郊外店に流れる可能性がある。
大阪の副都心ターミナルという極めて駐車料の高い地域で、他の駐車場との兼ね合いもあり駐車場無料(時間限定でも)というわけには行かないだろう。有料にしても熟慮したうえでの運用、料金設定が必要と思える。SCの魅力もさりながら、駐車場の運用が成否のカギをにぎるかもしれない。

もうひとつは「あべのキューズ」とやっぱり平仮名が使われたのだが、ここらで阿倍野と漢字正統表記に変えてほしかった。
近鉄百貨店は「アベノ」のカタカナ時代が長く続いたのだが、数年前から「近鉄 阿倍野」と漢字表記に変えている。これを見るといかにも正統派の感じがする。
「あべの」「アベノ」のカナ表記は非常に根強いものがあるのだが、これには大阪市交通局の市バスや近鉄電車の行先表記に「あべの橋」としている影響が大きい。あべの橋=天王寺の意味でそう記されているといえる。
阿倍野橋はJR線をまたぐ橋であり、天王寺駅ビルは阿倍野橋の上に建ててあるので厳密には天王寺区にある。けれども近鉄阿部野橋駅は阿倍野区に所在している。こうした捻じれは大阪での都市交通が私鉄中心に進んだのが、あとあとまで影響しており、官設鉄道=JRの存在は近年まで無視されることが多かった。




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posted by マッチ at 23:52| Comment(5) | 天王寺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>>、「イオン箕面SC」「イオンモール大日」「アリオ八尾」「イオン喜連瓜破SC」「イオンモール北花田」など郊外立地は鮮明といえる。


大日はイオンモールではありません。
イオンリテールのSCです。
よってこの場合の表記は箕面と同じく「イオン大日SC」としなければなりません。ちなみに大日の近くの鶴見はイオンモールです。(イオンモール鶴見リーファ=旧ダイヤモンドシティリーファ)
どうやら、「イオンモール」と「イオンリテール」の違いが全く分かってないように思われます。よくお調べください。
Posted by at 2011年04月16日 19:53
ご指摘ありがとうございます。
正直、どういうショッピングセンターがあるのか把握するだけで精いっぱいでした。鶴見は花ポートブロッサムとばかり思っていました。ですから同じグループとはいえイオンモール、イオンリテールという会社自体知りませんでした。

イオン喜連瓜破SCだけは行くことがあるのですが、他は行ったことがなくて。喜連瓜破はイオンリテールのようですね。旧ダイモンドシティですが。
これを機会にこの方面も調べて基本頭に入れたいと思います。
Posted by マッチ at 2011年04月17日 08:16
一般の消費者にはイオンモールもリテールも同じイオンなので、違いはわからなくて当然と思います。
もう少し説明すると、「イオンモール」とはイオングループの商業デベロッパー会社で、ショッピングモールの開発・建設・運営を行っています。
「イオンリテール」とはリテール=小売という名が示す通り、イオングループの旧ジャスコ店、旧サティ(マイカル)店、旧カルフール店の店舗そのものを運営(経営)しています。

イオンモール鶴見リーファを例にしたら、施設の管理運営、テナント誘致など一切はイオンモールが行い、その中の核店舗である「イオン鶴見店」はイオンリテールがテナントとして入居というややこしいことになっています。だからイオンモールが大家であり、イオンリテールは他のテナントと同じ一店子に過ぎません。


ところが「イオンリテール」自体が、お店の運営だけでなく、デベロッパー事業に進出し、イオン大日SCのような巨大施設を開発(建設から運営まで)して、イオンモールとイオンリテールの線引きが一般にはわかりにくくなりました。
まあ、大阪府と大阪市の二重行政のようなものです。
Posted by at 2011年04月17日 15:56
返信までいただき恐縮です。
あまりイオンに馴染みがなかったのもありますが、
指摘いただいてから昨日、今日と調べてだいたい理解できました。
これまで、イオンだけとかモール付とか、名前にもなんとなく違いを感じながらもよく調べずにすませたので。

とにかくデベと核テナントがどこか押さえるのが必要ですね。手間を惜しまず不明なことは調べる必要がありそうですね。
箕面、東大阪、光明池のカルフールはすべて消滅したようですね。
それによると、現在は「イオン光明池SC」でしょうか。
尼崎にもありましたけど。車で走り回るので店の存在だけ分かります。
2〜3年で店名を変えられると、ついてゆけずオロオロします。
Posted by マッチ at 2011年04月17日 20:47
「あべの」が多用されるのは、漢字表記に「阿倍野」と「阿部野」の両方が
存在するからなんじゃないかと、個人的には思っているんですが・・・。
Posted by ひかり at 2011年04月19日 17:06
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