2010年11月27日

神戸特集(4):ポートアイランド・二つの超高層

神戸で最初に完成した超高層ビルは「神戸商工貿易センタービル」だった。
高さ109m・地上26階・地下2階、1969年10月竣工のビルだった。
日本の超高層ビルの最初は東京・霞が関ビルが1968年3月完成になるので、わずか1年後に神戸に超高層ビルが出現していた。

これは大阪よりも早いだけでなく、東京の世界貿易センタービルよりも早かった。
驚いたことに、東京のそのビルはすこし高いが神戸の超高層ビルにそっくり。東京も出し抜く鼻息の荒さが神戸にはあった。
どちらかというと鹿島建設の施工がクローズアップされて伝わっていたが、そっくりの理由はどちらも日建設計の設計になるからだろう。当時の世間一般では、設計の重要さは認識されていなかった。

12256_1.jpg
遠くに見えるこげ茶の超高層が「神戸商工貿易センタービル」5年くらい前の写真。
道路は阪神高速神戸線。右側の二段の高架道路は国道2号線浜手バイパス、T字分岐でポートアイランドにつながっている。

今回、神戸について書きはじめて、あまりに写真がなかったので、撮影のため急きょ神戸・ポートアイランドまで走ることにした。昨日の11月26日のことだった。
三宮周辺も歩きたかったが、忙しくて午後からは予定があったので、ポートアイランドに限定して大阪から往復することにした。
久しぶりのポートアイランドだが、島内へは何度もきたことがあった。しかし、企業街区のファッションタウンはじつに25年振りくらいになるだろう。街開き後に一度きて以来だった。

阪神高速神戸線を走り、生田川〜魚崎まで渋滞していたが、摩耶までがんばり通した。この機会だから、HAT神戸を見るつもりで、摩耶からHATの西端まで走ってみた。そこから2号浜手バイパスに上がり、一気に神戸大橋を渡って港島・島内に入った。
天候はくずれる心配はなかったが、霞んで視界不良だった。撮影時間は1時間くらいで切り上げて帰る必要があった。そんな条件での撮影、決行になった。
ワールド本社のあるファッションタウンで左折してみた。25年前のあの感動がすこし蘇る気はしたのだが・・・

024.JPG
ワールド本社ビル

026.JPG
ファッションタウン内の街路

029.JPG
ファッション企業のビル

027m.jpg
ワールドとジャヴァグループ本社、どちらも本社ビルが数棟ある。

しばらくたたずみながら考えた。「あの感動は」「あの衝撃は」どこに行ったのだろう。
木々に彩られた街路も、木漏れ日も、小さくても前衛的なビルも感動だったのだが、なぜか色あせて見える。
当時は庭園のなかにビルが建っているように見えていた。日本離れした初めてみる景観に感動したのだろう。似たような大阪南港の企業街区も当時はなかったし、この25年に大阪全体がレベルアップしたと考えるほかなかった。

撮影を始めてみると、刻々と変わる天気だった。日が差しても、5分もしたら雲が青空を隠していた。やはり遠景も霞んでいた。

035m.jpg
同じワールドとジャヴァを望む。左はポートピアホテル・南館

036.JPG
南面を望む

040.JPG

045.JPG
イケアもあります

二つの超高層は意外によい撮影場所がすくなかった。
この機会と思い島内の周囲を回ってみた。ポートピアホテルは何度か来て食事したこともあったし、イケアも地図で確認していた。

047.JPG
南公園から

054.JPG
これも南公園

やはりというべきか、意外というべきか?私はポートアイランドの、ほとんどすべてがファッションタウンのように綺麗に整備されているものと、誤解していたのかもしれない。
綺麗なのは、ファッションタウン内の企業街区に限られていた。よく見るとファッションタウンにも電線まであったのは、幻滅といえば言い過ぎだろうか。
他の街区は様々な機能の施設が殺風景に広がって、空地も残している場所も多くあった。
「南港とそっくりじゃん」が正直な感想に変わっていた。
気を取り直して、撮影を再開した。

052.JPG

書くに当って、再度ウィキペディアの「ポートピアホテル」を見てみた。以下のような記述があった。
■神戸ポートピアホテル
延床面積11万u超の大規模建築で、神戸ポートアイランド博覧会が開催された1981年に開業した。ダイエー創業者中内功の弟中内力が、父から引継いだサカエをダイエーに売却した資金を元に建設したもので、現在も中内氏の親族が経営している。(代表取締役 中内仁)神戸を代表するホテルの一つである。

う〜ん、ダイエーが関係していたのか。やはり神戸の奇跡はダイエーだったと訂正すべきかもしれない。ダイエーは神戸に多くの遺産を残して没落した。
「新神戸オリエンタルホテル」「神戸メリケンパークオリエンタルホテル」や、三宮はいうに及ばず、ハーバーランドさえダイエー末期には立ち上っていた。
ダイエーが没落しても建物は残る。規模拡大に走った企業はすべからく没落したのだから、中内ダイエーを責められまい。
ダイエーはやはり神戸の企業だったから、この没落は神戸にとって惜しい。かけがえのない企業の没落になったと思う(ダイエーは消滅したわけではないが、もはや中内ダイエーではない)。

帰り道、神戸について考えながら走ってきた。戻るのは神戸大橋の上段になっていた。
2号バイパスに入るつもりが、油断してたら勝手にハーバーハイウェイに間違って入って、100円取られた。湾岸線を走るつもりはなかったから、摩耶出口で降りて、神戸線の摩耶から大阪に向かった。
六甲アイランドもあるけど、またにしよう。
ポートアイランドも集積は進んでいるが、ポートライナーによる半島になるから、中心市街地から隔離されているのが弱点になるよね。これを克服する手立てはあるのだろうか。
(ワールドについて書くと予告しましたが、予定変更しました。ご了承お願いします)




「都市の景観と躍動」トップに戻る
posted by マッチ at 21:59| Comment(0) | 神戸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]